ワンさぶ子の怠惰な冒険

ワンさぶ子の怠惰な冒険

宮下奈都 光文社

 

2021年夏。コロナ禍2回目の夏休み。

もはや第何波かわからない感染拡大がまた日本を暗澹とさせていた。

ステイホームでは読書くらいしか楽しみがないという閉塞感の中で出会えた1冊。

 

宮下さんのエッセイを読むのは初めてだったのだが、秒で宮下家のメンバーのファンになってしまった。全員違う種類の良さが光る。もれなく全員好き。箱で推せてしまう一家ってすばらしい。

 

とにかく終始穏やかな生活がそこにあって、コロナとはいえ神経質にキリキリしてしまっている自分を反省した。と同時に、読み終えたあととても心が元気になっている自分に気づいた。

 

今このタイミングに、この本に出会えて良かった。

人生ではそう思える本がたまにある。

 

こうして記録しておいて、読み返すことを老後の楽しみとするのだ。

 

 

後日談として、この年の年末にこの本が何かの賞に選ばれたとご本人がTwitterで投稿されていた。受賞のお祝いとともに「この夏、心が元気でないときに読んで救われました」と感謝をリプしたところ、「こちらこそありがとうございます」とのご丁寧な返信をいただいてしまった。恐縮過ぎたが、感激。作家の先生に直接感想をお伝えできて返信してもらえるなんて、Twitterって夢があるよな。(Twitterの話に・・・)